この日の0時39分に投稿された「一千光年」、とてもよかった。まず最初に次々といままでに使った合成音声が出てきた時点で感じたのは「ずるい」というものだった。これをやられたら堂々と1位になるように推されるしかないだろ……。しかしBメロで合唱になった瞬間に一気に泣きそうになってしまった。彼が好きなだけあって、アイマスの全体曲みたいにたくさんのボーカルを束ねる技量も流石だと思う。これだけたくさんの音声を扱うには複数のエディタを行き来する必要があったわけで、そこまでしてやりたかったことなんだろうと思う。確かに狡いんだけど「なんかエモい感じにして1位ねらうぞ～」くらいの邪さで作ったくらいでは、ここまでの手間はかけられない。ただただ「愛」なんだろうねと思っている。
ここまでやったからには彼なりの引き際としてこれ以上ボカコレでなにかをすることはないんだろなと考えていて、今後の動向が気になる。逆に次回以降もこれでボカコレに本気で参加してきたらあまり良い印象は抱かないかもしれないな……。あとは何回か聴いたり他の人の感想を聞いて気づいたけど、ずっと引いている緑の線はボーカルのエディタだろうし、それに対応して初音ミクがずっとロングトーンをしているわけで、固定された窓から走り続ける彼女を映し続けるという発想が良い。この窓は動画サイトの画面そのものだし、私たちはそこからずっと彼女の走る姿を見続けていたし、いまこうして見ている。そんな歴史そのものなんだと思う。シンプルなアニメションから一千光年先まで届けというテーマに合致させていく、仕掛けとテーマの合致もこのうえなく美しく決まっていて本当に素晴らしい……。
