nikki_20230501「サッカーと私にまつわるいくつかの断片」

 

父はずっとサッカーが好きで(とはいえ体育会系というわけでもなく)、いまでも変な方向に行かずそのまま観戦することを趣味として息抜きにしているのでえらいなと思う スポーツとかではなくても熱中できるものがあるって大事だなあという……というツイートをしたのだけど、自分とサッカーのことをあまり書いたことがなかったので書く。

 

父は中学校のころからサッカー部に所属しており、社会人になってからも趣味でやっていた。何回か練習や試合に連れていかれて、ボールを蹴る姿を見ていたのを思い出す。特に大きな契機があったわけでもないと思うが、次第に実際にやることからは遠のいていった。しかし観戦をすることはずっとやっている。

 

私の地元は広島であり、サンフレッチェ広島というサッカーチームがある。日本代表監督である森保監督が率いていた頃にはJ1で3度の優勝を収めている(2012,2013,2015)。近いタイミングで広島東洋カープの3年連続セリーグ優勝があり、スポーツで盛り上がっていたのを思い出す(2016,2017,2018)。サンフレッチェが優勝したときの凱旋パレードに行ったりもした。

 

試合が行われるビッグアーチ(いまはエディオンスタジアムに改称)にもよく連れて行ってもらい、試合を見ていた。一丸となって声を張り上げたりするのはちょっと気恥ずかしかったりもして、それでもゴールが決まって「GOOOOL!」という声が電光掲示板から流れたりしていたことは覚えている。といってもほぼ小学生ごろのことなのではっきりとは思い出せない。いまは市の中心部に新しいスタジアムが作られているらしい。これは結構大きな出来事で、また行ってみたい。

 

女子サッカーチームもある。私が馴染み深かったのはアンジュヴィオレ広島というチームである。日本代表のなでしこジャパンの流れもあって盛り上がっていたチームだが、去年で解散したらしい。理由がなんともいえないもので悲しい。いまはレジーナ広島というチームがあり、父も応援しているという。

 

>リーグ戦は第5節オルカ鴨川FC戦から8連敗を喫して中断期間に入る。中断期間中の8月22日、新型コロナウイルス感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻の影響による経営悪化及びWEリーグ発足に起因するメディア露出・広告宣伝効果の減少を理由に、2022年シーズン限りでクラブを解散すると発表した。中断期間明けも3連敗でスタートするなど成績は上向かず、結局3勝2分17敗の最下位・12位でシーズンを終えた。

アンジュヴィオレ広島 - Wikipedia

 

では私自身はサッカーをしていなかったのか? やっていたことはある。幼稚園のころである。地域で行われているサッカー教室に、3年間通っていた。内容は覚えていないけど試合というよりボールを蹴って親しんでいくような場所だった。幼稚園~小学校は父と公園に行ってスポーツをすることが慣例であり、ボールをパスしあったりしていた。パスのときはトウキックなんかせず、サイドキックでやることだったりドリブルをすることを覚えた。これは後述する体育の時間などに役立った。

 

しかし私は悲しいかなスポーツには向いておらず興味も向かず、以後は文化部の道を進んでいった。体育の授業でサッカーをすることがあっても脚を引っ張ることも多く、嫌いにはならなかったけど苦手な部類ではあった。高校のときに学校で大会があって、普通にヘディングしようとしたけど頭にボールが直撃して倒れた形になったのを覚えている。父は私にサッカー少年を志して欲しかったんだろうなという申し訳なさがずっとあり、一度そのことを話したら優しいなと少し泣かれたのも記憶にある。

 

だから私にとってサッカーはスポーツの中で比較的身近なものだ。本当に幼稚園に入る前からテレビでサッカーが流れていたし、そうしてずっと片隅で見ながら思っていたのはとても地味なスポーツだということである。結局は2つのゴールの間でボールを持って行こうとする動きが拮抗し合う、というそれだけのことが1時間半続く。このことにわりと早い段階で気づいていたと思う。だからつまらないというわけではなく、そのすごさがあるのではないか。野球は攻守が交代して戦略性があることが分かりやすくて、サッカーは一見して分かりにくい感覚がある。ただ互いにボールを押し付け合うシンプルさの中に戦略性があり、何も知らずに見ればわらわらと人が走っているだけだと思うだろうーー子供の頃の私と同じように。しかし見る人が見ればそこには個々人の能力や立ち回りが見えてくるのだろう。父はそれをずっと見ている。