nikki_20230620「無題」

 

1年前にたまこまーけっとという京都アニメーション製作のアニメーションを見たのだけど、今年で放映から10周年になる。ということで、京都の出町座で夜通しTVアニメ全話と劇場版(たまこラブストーリー)が上映されることになり、それを見に行った。登場する商店街のモデルとなったのが京都の出町枡形商店街で、そこにある小さな映画館で放映されるというちょっとしたイベントである。

見て、たまこまーけっとたまこラブストーリー山田尚子さんをはじめとするみなさんありがとうという気持ちになった。10年経っても愛されてる作品ってすごいことで、願わくばそんなものに関わってみたいなと思う。劇場にはさまざまな年齢の人がいたし、Tシャツを着たオタクや館内はたまこ一色になっていたりしてよかった。この10年にもたまこの父(豆大)役の藤原啓治さんが亡くなっていたり、京アニ本社がなくなったりなどいろいろあって、そのなかでたくさんの人が集まっていた。大きな流れのなかでひとつの作品を拠り所にして、複数の人生が映画館で一点に交わっている。時間はどうしようもなく流れて人生は続いていくし、その変化の中で自分で考えて動いていくたまこたちの姿はいまの自分の境遇とも重なって、とても心に迫るものがありました。たまこラブストーリーなんかはその事実だけでずっと泣いていた。1年前とまったくおなじ泣き方をしている……。アニメでもいろんなタイミングですすり泣きの声が聴こえてきて、あーたしかにここ泣けるよね、と謎の共感が湧いてきたのもよかったです。それなりに長い上映時間を得ていると言葉にしない一体感が出てくるような。劇場版なんか本編開始1秒くらいで泣いてる人が見えたのだけど、わかる~と思っていた。これで泣いたならどんなラブストーリー(たとえばよくやってる邦画のそれ)でも泣けるのかということを考えたりもしたのだけど、なんかこの映画だから泣いてる、絶対にほかのラブストーリーではこんなに心が動かないはずだ!という勝手な強がりがある。それは恋愛模様というより、描写とか人物像のほうに自分が集中しているからだと思う。

わたしたちのかけがえのない日々と共にある作品、というふうに映画館のアカウントがツイートしていてよかった。

 

上映当日は早く着いて時間を持て余していたので、夜の鴨川をしばらく眺めていた。鴨川デルタでは若者がたむろしていて、花火をしている集団がいくつかあって光っていた。生々しい性的な単語が飛び交う男子の会話が二回耳に入ってきたし、恋愛の話をしている男女もいた。若さに酔ってしまいそうな空間だとおもった(自分も同じくらいの年齢だと思うのですが!)。客観的に見てどうであれ本人たちは楽しいのだろうし、きっと何年後かにこのときがかけがえのない記憶になってるんだろうねということを思った。最近はわりとTwitterで京都の大学生が揶揄されがちだけど、まあここから抜け出せなくなるのも肯ける話ではある。ちなみにフォロワーのひとも見にきていたので、少し落ちあってお話をしたりもした。ありがとうございました。

 

過去の日記で紹介した有馬楓花(有馬温泉の温泉むすめ)の「あ・り・ま・す・か?」をまたヘビロテしている。また音楽の話をするのではなくて、繰り返し登場するフレーズに「まだ知らない場所で/まだ知らない誰か待ってる」というのがあるという話で、これに数日くらいしみじみとしている。わたしがずっと好きなさよならポニーテール「光る街へ」という曲にも「まだ見ぬ人や街にときめいていたいよ」という歌詞があってずっと好きなのだけど、なんかそうなんだよな、まだ知らない場所とか、まだ見ぬ人や街にときめいて、そわそわしていたくて、その気持ちを忘れたくないんですよね、人生……という気持ちで、これは期待とかとはちょっと違って(期待は不安の表れというだれかの言葉も参照しつつ)、ただただ気になっているという、そこで得られる何かではなく、そのものへの好奇心みたいな、それを持っていたいなというのを曲を聴くたびに考えている。

 

よく見ているyoutubeチャンネルでファミリーマートの台湾まぜそばが紹介されていた。前におそらくなんの影響もなくふと買ったときも、それなりにおいしかったのだけど、最近はこの味の混ぜごはんの素も売っているという。食べ終わったあとの追い飯が再現できるという趣旨らしく、それは初耳だったのでどちらも買って食べた。台湾まぜそば本体は魚粉、肉みその甘さ、奥にあるピリ辛風味がうまく融合していてやはりうまい。全体的に甘い。まぜ飯に関してはにんにくが結構強く、魚粉と辛さがちょっと抑制された印象だった。ふたつ買っても500円強なのでおすすめです。