nikki_20250506「かおり『ゆゆ式』(2013)」


2021年ごろに人からおすすめされていたけど、そうでなくても嫌でも音madやインターネットに触れていたら目にするアニメ。なんだかんだで去年の12月くらいから見ていた。

 

gyazo.com

 

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当たり前のようにものが古い。ガラケーとかしりとりでYMOという語彙、本屋で本が400円。

野球のクローザー、自分も知らなかった。

デフォルメの絵柄だけどイキイキしてる動きで面白い。ぼざろを思い出す。

 


ある単語の語感で笑うのとか傍から見たら変だけどこんな会話はごまんとある。

中身はないが、意味のある中身のなさ。中身はないが意味はある。

 

夏回 思ったより季節の流れが早いが、よく見たら2年の夏までを描くそうなので納得できる

最初のウォータースライダーのところの作画がちょっと凝っていておもしろい

自販機のところが名シーンらしいと聞いていたのでこれか!となる。夏の夕方の紫色、オレンジでも赤でもないあの色の感じは独特で、それを表現しているのはアニメで初めて見たかも。それがゆずことゆかりの髪の色、そして自販機の発光とあいまってうまく噛み合っている。

ゆいの家に辿り着いてからピザとひざの10回クイズをするくだり。

A「ピザって10回言って」
B「ピザピザ…」
A「じゃあこれは?(ひざを指さす)」
B「ひじ」
A「間違えた」
B「こっちも間違えた」

という会話だが、ここで行われている会話をほぐすとかなり難解である。Aはピザと10回言わせて「ひじ」を指さしBに「ピザ」と回答させる茶番のひっかけを行おうとしたが、暑さでやられて「ひざ」を指さしてしまう。Bは10回クイズのひっかけの裏をかいて「ひじ」と答えたが、相手が「ひざ」を指したので結果として間違えた。というコンテクストがこの裏にはあって、しかし見ている私たちはそれを理解できるし、会話においてもすんなり受け入れられる。これってすごいことだ。こういう言葉にしたらめんどくさい類の感動を個人的には日々感じているし、こういうことを日記で書きたいと思うことのひとつ。

 


相川さんがメインっぽい回。旅行にいったゆかりの写真どれもいいですね。

ゆいが寝不足でおかしくなる回、キルミーベイベーでもソーニャが寝不足でおかしくなる回が存在するのを思い出す。これもまたきららにおけるベタ展開の一つだったりするんだろうか? 保健室で目覚めるくだりよかったな、人のいない学校の寂しさ。

モブの生徒を洲崎綾が担当している。こういうモブが有名な人だ!と気付くのをどのアニメを見てもやっているようで、それってエビフライを食べるたびに「しっぽはゴキブリと同じ成分」と言うみたいな(決して声優さんのことを貶す意図はない)、いちいち言わなくてもいいわ!、というタイプの気付きなのかもしれない。以降は控えたいが、声優さんを覚えていくとこういう面白さがあるのはそう。

思えば「ゆゆ式」というタイトルがいまのところ回収されていないし意味も分からない。「由々しき」にかけていること、三人とも「ゆ」のつく名前であるのはそうだが、本人たちがそれを意図してる感じはないわけで、ただの「情報処理部」である。

 


唯と縁の小学生時代の出会いについて、回想シーンがちゃんと挿入される。けいおんでは「今」を描くために徹底して回想が省かれていたのを思い出す。ツインテのゆかりかわいい。そしてしいたけ目すばらしい。

きのうの夜なにをしていたか?という話題について、ひとりひとりが話すなかでゆずこは「辞書で変な単語を調べていた」とモノローグで言う。こういう話の流れのためにあえて言わないとかあるよね。

あとゆずこが送ったしりとりのメールについてゆかりが言及したらゆずこはそれをもう忘れており、その言及の意味に遅れて気づいたゆずこが言及するころにはもうゆかりは忘れていてというくだりとか、こういうディスコミュニケーションってあるよね。こうして説明するとまどろっこしくなっていることがすべてだと思う、そういうことをいちいち書いている。

死の話がナチュラルに出ても「この話『ない』ね」へ落ち着いたりボケの材料になっていくのやばすぎる!! 彼女たちの会話の中では昨日見た夢の話も、死の話も等価なものとして並べられて続くのである……。まあ最後に死ぬときは一緒かという話題になってちょっとエモい感じで締めるので重い話題として描かれている、彼女たちも自覚しているようだけど、それにしてもそんないつかくる死ででさえ「いっしょにいる今」を肯定するような結論になる。彼女たちには「今」しかないような描写ですごいと思う。

カツサンドとか最初のターン制とか死のモチーフではあるのかな。

あとずっと思ってたけどエンディングでゆずこがこっちに向かって手を振るのは誰に振ってるんだ?

 

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鍋料理の音mad好きだからよかった

www.nicovideo.jp

 

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冒頭の破魔矢でおしりをさわったり、先生がガキ使を見ておしりを叩きあって過ごしていたとか、黒豆のくだりとか、チョコフォンデュに手を突っ込んでなめるとかちょっとエロティックな描写が目立つ回だった。

正月の朝が白いイメージなのわかる。コンビニで立ち読みする描写に時代を感じる。

納豆のにおいをかいでゴリラっていうのはよく分からなかった。ゆいがゆずこに対してやったときは「今気づいたのか」と時差に対してリアクションしているが、ゆいがゆかりに対してやったときは「みんなそうなんだ」と納豆とゴリラの謎の結びつきにリアクションしている。よくわからない。←これ読み返したら自分でも何を言ってるのかよくわからん

 

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エンドカードかきふらい!?見てみたい

おっぱいのくだりとか下ネタ増えてきたのかな。

卑近だけど胸に関する話題が随所で出てきたり死の話題もそうだけど、日常で無意識に影響されて同じモチーフが登場するみたいなディティールをやっているのはよい。

冒頭で相川さんが席に近づく動き、最後に先生の元から三人が振り向いて歩き出すときの動きすき。

 

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まじゃりんこというタイトル通り、ちょっとだけ外部に手が伸びる回。自分達の会話ってバカっぽいかな?とかメタ的なことを言っていて面白い。思えば三人に対して写真を撮っている相川さんは萌えているようで、これは視聴者の態度にもにも重なる……そんな読みをした視聴者も当時にはいそう。自分はあまりそう思わなくて、そんな安易にメタで考えたくないのもあるし、ただ相川さんを共感できる人見知りキャラとしてとらえたい。

パン人間ってこれかあ

やっぱりゆかりの海苔みたいな目は特徴的だなと思う。このアニメの半分近くこの目してない?

アイキャッチとか後輩から話振られてわたわたする相川さんかわいすぎる

 

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最初に信号機から始まって口をぱくぱくさせる音のやりとり、ギターとかマネキンとか音madで見たことある、あるいは素材になりそうなものが多くないか?

Aパートの後半、マネキンをめぐるやりとり。けっこういい回かもしれない。狭い部室の中のしかもパソコンの情報へ頼らない会話劇。魚眼っぽくなったり広く見えたり狭く見えたり立体的でもあるし、しりとりをしているところはほとんど動かなかったり立ち絵のの遠近感を活かした演出があって平面っぽくもある? 先生のジェスチャーが伝わらなかったり、いきなり「ノリ」を打ち切るメタな発言がでてきてしかしノリから抜けきれないというゆずこの独白とか、このアニメって会話あるあるを全部やろうとしてるなと思う。ここからアイキャッチでキスする手前のゆずことゆかりが出てきていきなり湿っぽくてドキドキした。

じゃんけんのやりとりって前回もあったし、アニメ通してじゃんけんが結構登場してるようにも思える。やはり三すくみと3人の関係なのかな

最後の手を向けて気持ちを送る話、じゃんけんっぽくもある。そこで言葉という直接的なものが持ち出されるのもいい

エンドカードかんざきひろ!?

 

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11話だからかちょっとエモーショナル、なんでこんな話してたんだっけ~のくだりやばい

あと先生もキレる時はキレるんだ。それが見間違いとかではなかったのはびっくりしたし、そのことでちょっとみんな落ち込むのもいいですね。他人のことで落ち込める関係

幽霊の点線を揺すったら点線ごとばらばらになるの良い、魚眼の微妙なパース面白い

時間とか見えない幽霊とか哲学っぽい

最後エモーショナルになったとこでまた相川さんが出てきて冒頭の雰囲気に戻る、話してたら岡野さんからウケる~って言われたり三人の外の視点が介入する感じ。

あと部室でのやりとり、3人で三角形になって話してそれぞれの視点で映すことで部屋の全体が映る感じになってるんだな 当たり前だけど面白い

 

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今回は部室はほとんど出てこない。

Aパートのゆずことゆいでコンビニまで行くシーンもいいな、夏の昼間の感じを思い出す

Bパートはじめのやりとりとか見てて思ったけど、もう別に話している内容とかほとんどどうでもよくて、ただこの三人で言葉を交わすという行為そのものが彼女たちにとって気持ちいいんだろう。

海に行ってからのスピードとテンション感やばい こっちが置いてきぼりになるレベル

海の家のシーン、ゆずこがいきなりサンフレッチェ広島(自分の地元なので)とか言い出してびっくりした

ゆかりの家が一瞬映ったけどめちゃ豪華だ

長谷川さんの犬とのやりとりいいですね

相川さんが家でちょっとわがままなやりとりを家でしているのよい ちゃんと思春期っぽい

海行きて~

終わっちゃった……いちおう1.5年を1クールでやったので、もう1クールあると3年経つ計算ではあるのか 最後来年も海へ行く話になったとき、受験のことは!?とか思ってしまった

 

OVA
絵が変わった気がする。コントラスト弱めな感じ

ちゃんと3年間が終わることの予感も描かれている

せぷてんばー!きたああああああ

「うん、全部しようね」「全部?」「全部やって、全部覚えてようね」「無理だよ」 ←涙

ゆかりの秋の私服可愛い、最後解散してからの3人の過ごし方をゆっくり描いている終わり方もよかった

edまふまふ!?

 

全体を通して、会話アニメだと思った。三人の閉じた会話を描くことに一貫していてすごい。なかなか見終わるのに時間がかかったのは中身がないからだとは思うのだけど、書いたように意味はとてもある中身のなさである。この内容でも感想がこれくらいの長さになるので、やはり見ながら色々考えてしまい見るのが遅くなる。これくらいの密度の感想をたくさん書いている人もいると思うので、もっと日常系中心に色々見ていきたい。