nikki_20220526「響けユーフォニアム2期、劇場版を見ました」

 

前に見終わっていたので感想です。1期はここで書いていました。ネタバレします

 

isitsutbustu-todoke.hatenablog.com

 

 

 

 

アニメ2期

 

1話 1時間くらいあって驚いたのだけど、そのなかで大きく話が動いて対立や様々なエピソードが組み合わさって移り変わっていく、その手際に圧倒されていた。GWに帰省した際、妹が持っていたコンプリートブックを読ませてもらった(妹はまだ見終わっていないらしいが2期のだけ持っている)。それによると2期の初めごろはわりとエピソードの密度が高くなってしまった…との話がされていた。納得

 

 

2話 水着回かと思ったら真剣な話になり、水着で真剣な話をするな身体が冷えるぞと思っていた。後半はすぐ合宿になり、スピード感がすごい。合宿所の雰囲気や、練習室での声の反響の仕方など音響がこだわっているように感じられた。

 

 

3話 夜に吉川優子先輩と話すシーンが良かったです。

 

 

☆4話 理科室?での優子とみぞれのやりとりがかなり良かった。押し倒しながらまくし立てる躍動感、ふたりのスカートの襞が重なり合うところだけ映して言葉だけ聞こえるのに感情が伝わってくる様子、本当によい。何もしてないから言ってる?みたいな台詞も端的な象徴でよかった。

みぞれと希美が再開したとき、窓枠で二人の間を隔てる様にしている構図も秀逸だった。緊張感のあるシーンではカメラの手ブレみたいなのが加わったり、ピントがぼやけたり、短いカットがたくさん挟まる表現技法はこの回に限らずユーフォでよく見る気がする。好きです。

 

 

☆5話 演奏シーンを1曲まるまる流して飽きさせず、いままでの全ての背景が曲に収束していくの美しすぎて狂いそうだった。前述したコンプリートブックによると、70人くらいの人を1枚の紙に無為に書いてから調整して全員の人物造形を作り上げたらしい話があったのでよかった。全員に名前と個性が考えられてるの素晴らしすぎる。

 

 

6話 車のなかの会話はやはりよい。ドライブマイカーだったりを見たので余計に

 

 

7話 バリトンサックスのソロ、決意が伝わってきてよかったし普通にうますぎる。実際に駅ビルに行って聴いたのだけど尚更よかった。

 

 

8話 メモとってなかった

 

 

☆9話 あすかと久美子が部屋で話すシーンが素晴らしい。不安定な向きで映す人物のカット(逆さま)で不安を表現したり、上から見下ろした机のクッキーとお茶の配置、そのアンバランスさを示すなどの表現がよい。最後の演奏も白眉。夕暮れの教室、部屋と久美子たちの髪色や制服の色が噛み合っていてすごい、計算されてるのかな

 

 

☆10話 料理の行為と心情のシンクロがうまい。久美子の説得シーンもよかった。1期は個人の感情と目指す芸術の摩擦で、後者の方が優先される(麗奈がソロを吹く)という形をとった。2期のこちらで下された決断(あすかがコンクールに出ること)は、私情も部全体の目指す芸術もどちらも優先する形になったと言えるのだろうか。しかしそこに至るまでに、あすかの本心を開くことができた久美子の変化・姉の問題が絡んでいる。久美子の変化は1期、2期を串刺しにしてここまで直面したいくつもの問題を経たものなので、一種の総決算だった、といえるのだろう、、

 

 

☆11話 山の上のシーンは1期8話同様で素晴らしいし、風に揺れるスカートや声の振り絞り方など、どれをとっても最高でしかない。麗奈を心配する優子先輩の優しさ、よい。

 

 

12話 人間関係に焦点を当てた感じで演奏がカットされたのは惜しい気もするが、まだ来年分も描くのであればこれでいいのかもしれない。銅賞であったことを示す演出がちょっとコミカルではあった。コンクール後のゆるゆるした空気が漂ったロビーの雰囲気が非常に懐かしい。滝先生からあすかへの伝言はふつうに泣きそうになった。

 

 

☆13話 もう演奏シーンはないのかと思っていたらまだあって、不意打ちで「演奏にすべてが集約される」の形を見せられたので喰らってしまった。そう、アニメでは1期2期と区分されているけど彼女たちにとっては一連の季節だったのだな…となる。そのすべてを演奏でもう一回思い出させるのも喰らってしまった。

 

 

演出でいうと、窓枠へ登場人物を収める構図が多くてうまい。学校であることを生かしつつ、それが断絶だったり、あるいは通じる思いなどを示しているようで。学校かつ部活と言う閉鎖的な空間で多様な風景、ドラマを生み出すのもすごいと思う。

 

絡まった人間関係が演奏を通して伝わってくる。物語における群像劇という構造と、吹奏楽の演奏の構造は似ている。それぞれが自分のパートを必死に演奏して、全体の調和も考えないといけない。ゆえに群像劇が演奏と言う行為に集約されていて、演奏を見るだけで色々思い出せるという発想が本当によい。京アニの高い描写力がそれに合わさることで唯一無二の作品を織りなしているといえると思う。素晴らしかった。

 

 

 

 

劇場版 誓いのフィナーレ

 

 1期で提示された問題が後輩によって再喚起され、それが久美子のさらなる想いを引き出していく構造すてきだ。。なんでも持ち出すのもあれだけど、本当にアニメのままでよかったの?という構造では劇場版スタァライトに似ている。まあこれは芸術と青春ものではっきりした解は出せないし、部活という連続性のある内容も考えると「本当にアニメのままでよかったの?」という問いが浮上していくのは当然かもしれない。

 

 人間関係のスマッシュが連続して飛んでくるのでしんどかった。前半と後半に分けて見て、後半を見るのに1日くらい躊躇したのはわりあい間違ってない。身体の故障だったり、交際を断る決断をしたり、将来の話とか、後輩の空気感も辛い。先輩と仲が良い子がいて同級生の間で差ができる構造とか分かるものだったので、ディティールがすごい。先輩は優しいんですね。という台詞などもたぶん経験したことあるのでかなり刺さってしまった。

 

 関西大会の演奏もすごい。最後も最後で2拍ごとにみんなのカット連続する演出、どのシーンも手抜きのない本気の絵で連打してくるのでもう…ってなったのと、みぞれ先輩のソロでわりと泣いてしまった。泣いていたのにちゃんと部員を鼓舞する吉川優子さん…。

 

 コンバスの男の子はどうなったんだろう、みたいなのは気になった。3期でまた親との確執があるのかな。あと久美子が主人公である以上当然なのだけどまあ全国行かないんだろうな、、みたいなのは読めてしまった。こういう割り切れない終わり方をするのもなかなかで、3期をバリバリ作る気があるのが伝わってくる。京アニ火災のこととか考えるとうーんとなるのだけど、とにかくよい劇場版でした。2時間で収まるのか結構ハラハラしていたけど収まってすごい。

 

 

 

 

全体的に素晴らしく、しばらくしていなかった創作への意欲も湧いた作品でした。リズ青は1回みたのでスルーしてますが、忘れてるところがわりと多い気がするのでまた見ます。劇場版では意識した点とか随所にあって、そこもあ~となっていた。おやすみなさい。