ア行・ハ行の笑い
「あはは」「いひひ」という笑い声の擬音はどちらもア行・ハ行の組み合わせでできている、とふいに気付いた。さらに同じ母音でずらすと「うふふ」「えへへ」「おほほ」となる。規則的な行の組み合わせでここまで個性豊かな笑い声が生まれるのは面白いと思った。それならばア行1文字、ハ行2文字の全ての組み合わせでどんな個性が見えてくるか検討してみたい。
あはは
王道。会話に挟まる相槌としての笑いでも、抱腹絶倒でも、嘲笑でもとれる。明るい子が笑っているイメージ。
あひひ
あまり聞かないが、くすぐられて笑っているイメージ。あとはなんらかで狂ってしまったときの笑い。
あふふ
聞かない。「あ、ふふ。」なら上品な笑い方っぽいけど趣旨とは異なる。aとuを比較すると口の形が大きく異なるので、「あふふ」と口をすぼめるように一続きに笑うことは難しそうだ。
あへへ
「あひひ」同様くすぐられて笑っているっぽいけど、どちらかというと(薬物などで)狂っているイメージ。「アヘ顔」という表現にイメージが引っ張られているが、手元の稀見理都『エロマンガ表現史』を見ると、それも「アヘアへ」があえぎ声のイメージであると述べている。ゆえにくすぐりや薬物の快感に依拠した言葉であることは間違いなさそうである。
>「アへ顔」の「アへ」の意味は諸説あるが、感じているときのあえぎ声「アヘアへ」が語源で、「アヘる」という動詞が生まれ、その時の表情として「アへ顔」という名称が作られたと言われている。〇六年以降に広がりを見せ、認知度が増した言葉だが、実は単語としては九〇年以前から存在し、主に男性向けAV情報誌などで継続的に用いられてきた。
稀見理都『エロマンガ表現史』太田出版, p222
あほほ
聞かない。aとoは同じ口の形だけど聞かないので口の形はあまり関係ないのか。
いはは、いふふ、いへへ、いほほ
聞かない。口の形が違うという説明はできそうというか、いから笑い始めるケースって想像がつかない。
いひひ
唯一「い」から始まる笑い。いたずらっ子、小悪魔っぽい。
うはは
豪快な笑い方でポジティブ。悪の魔王とかもこう笑いそうだが、ギャグ要素のあるファンタジーっぽい。シリアスな場面で「うはは」と笑う敵はいなさそう。「う」によって「は」の爆発力が強まっているのが要因っぽい?
うひひ
ある。下品な悪だくみ感。
うふふ
王道。これになるといきなり上品さが出てくるからとても不思議だなー。お嬢様キャラは結構好きかもしれない。
うへへ
ある。下品な悪だくみ感2。しかし褒められて照れてるようにも見えてくる。「う」で溜めることで本心を隠すような奥ゆかしさがあるのかもしれない。
うほほ
ある。ゴリラっぽいが、金儲けのときの「ウハウハ」みたいな笑い方がイメージされる。
えはは
聞かない。でも実際にこういう笑い方ってイメージできる気がする。笑い声が大きい人とか、会話の途中でいきなりウケて笑いが止まらなくなったときとかこんな感じのような。
えひひ
聞かない。不意にくすぐられたときの笑いっぽい。
えふふ、えほほ
聞かない。総じて「え」が前に入ることで意図せず漏れでる笑いをイメージできはする。
えへへ
王道。照れの笑い。「うへへ」が照れっぽかったのはこれに引っ張られているかもしれない。
おはは、おひひ
聞かない。
おふふ
「おっふ」っぽいのでイメージできはするが、調べると『斉木楠雄のΨ難』において登場する「驚きのあまり思わず間抜けな声が出るシーンにて使われる。」擬音だとはじめて知った。
おへへ
聞かない。マヌケっぽい。
おほほ
王道。「うふふ」と同じ上品さがありつつ、こちらは少しギャグっぽい。
スパムの名前
いろんな傾向があることが分かって面白かった(雑なまとめ)。もうひとつ言葉から性格を推察してみたいと思ったのはTwitterにおけるスパムの名前である。Twitterにはスパムアカウントというものがあり、ツイートやプロフィールにあるリンクからサイトへ誘導を促している。それらの手口はいいねフォローリプライDMなど様々で、ここ最近の肌感ではフォローが多い。私はけっこう目ざとくフォロワー数が変わっているとすぐに気づいて飛ぶとスパムというケースが多いわけだけど、今までは下の名前オンリーだったのが最近はフルネームのアカウント名が多い。
そこでフォローしてきたこれらの名前(あくまで名前のみ)から、性格を勝手に想像してみようと思う。私たちを困らせている存在なのだから、これくらいしても罰はあたらないだろう。念のため名前を調べたら特にヒットはしなかったので実在する人物からとってきているわけでもなさそうではある、でも何か問題があったら消します。
しおざわ さとこ
漢字も考慮すると「沙」が白っぽい。この字が砂を意味することは今調べて知ったが、ずっと見かけるたび透き通るような白さみたいなものを感じている。そこに「都」という字が入るとさらに上品な雰囲気があり、サ行の「塩」と合わさって全体にまとまりがあって良い。これが「聡子」「里子」だったら少し違ったと思う。ゆえに清楚っぽい。あるいは世話焼きで友達は多いけどおしとやかな子。あとはバイト先にいる優しいパートのおばさん、推理小説に出てくる未亡人。
さかもと るみこ
「るみこ」がゴージャスなイメージがあって、全体的に高齢のイメージ(ルミ子みたいな)。若いのであればギャルっぽい。「ルミルミ」というあだ名がついてそう。「イルミネーション」のイメージできらきらしてるのかも。「さかもと」はなんとなく元気だけど庶民的なイメージもある。
いとう えりさ
これはフォローされたとき「伊藤」じゃないんだ!という驚きがあった。「位頭」を「名字由来net」で調べたら「【全国順位】 55,707位【全国人数】 およそ30人」だった。これはすごいというか実在したら特定できてしまうし、本人がいたとしたら普通に迷惑だろう。ゆえに言及は憚られるけど、「いとう」には聖母マリアみたいなイメージがずっとある。色で言うとオレンジ。「えりさ」がエリックみたいな名前を連想させるので、全体に異国っぽさを感じる。濁音や拗音促音、「ん」がないので穏やかな感じ。しかし実際の人物像をイメージすると、クラスでも目立つ方の女の子のグループできびきびしてそうである。アニメならツンデレ。もしくは高嶺の花でしょうか。「さ」で終わる名前はツンデレのイメージがある。
おおたき ちなつ
おおき ちあき
このふたつの名前は似ていて仲がよさそう。「おお」「き」「ち」が共通していて、「おお」と「ち」が名前につくと溌剌としたイメージが出てくる。あとショートカットで、あまり長髪のイメージがない。塾だけ一緒になる子、あるいは友達の他校にいる友達みたいな感じ。ちなみに「大多喜」も「【全国順位】 41,001位【全国人数】 およそ60人」だった。
おろしば たか
極めつけみたいなレア名字。たぶんこっちが名字で綴りは「颪柴」、「【全国順位】 73,052位【全国人数】 およそ10人」とのこと。レアは無視しても「~ば」という名前はかっこいいし、対比して下の名前が「たか」だけなのもいい。「おろしば」って響きが仰々しいけど、「おろし」が六甲おろしみたいな寒さを感じさせるので高貴で飄々とした感じ。それを「たか」が補強している。病弱な名家の令嬢みたいなイメージ。でも「たかちゃん」って呼ぶと途端に親しみやすい感じが出てくるので、令嬢だけど学校ではそんな感じの友達がいると萌えるかもしれない。あるいは背が高いバレー部の子みたいな気もしてくるな。「しばたか」というあだ名もありそう。
こんな感じ。言葉からぼんやりしたイメージをたどっていくのは結構好き。





