nikki_20220414「ナイト・イン・ザ・マクドナルド」

 

午前から外出して予定をすまし、映画を見に行って23時頃に帰った。わりと充実していたが、これを毎日続けられる自信はやはりない。「ナイト・オン・ザ・プラネット」という映画だった。かなり前の映画だがTwitterで面白いみたいな情報を目にして気になっていたところ、上映しているところがあった。いい機会だと思って見に行った。正直、人が演じている映画を見るのは2013年に乙武洋匡氏が主演した「だいじょうぶ3組」を見に行った以来だと思う。ほかはアニメ映画ばかりである(それでも10本も見ていない)。

 

 

 


あらすじを簡単に説明すると短編集である。ある冬の日の夜、同じ時刻に起こった異なる場所での5つの出来事が描かれる。共通するのはタクシーに運転手と客が乗り、車内で会話が展開される→目的地に着いて降りたら話が終わる、というシンプルなフォーマットのみで、作品の時の流れと観客の体感する時間が一致する。しかし、それだけのフォーマットでも技量さえあれば抜群に面白い映画は撮れるのである。全体的に泣くような話ではないのだけど、そこらへんに感動してずっと泣いていました。あれやこれやと凝った手を尽くさなくてもシンプルな舞台設定を丁寧に極めるだけでいいのだ、それだけで人を魅了することはできるんだなと思った。好きなことを極めればいればいいのだ、と少し自信みたいなものも持てました。あとは僕は密室劇・会話劇・群像劇が好きなのもあった。深夜のタクシーにおける、初対面同士の他愛なくも微妙な温度感の会話、いいですよね…。

 

ネタバレすると最初の3つが個人的には好きで、あとの2本は俳優さんの演技というか独白が対照的でよかった。1話目はよく分からなかったのだけどドライバーの子の人生観みたいなものがよいし、2話めはコミカルである。このあとに静かな3話目を持ってくる緩急のつけ方もよい。

 

特に3話めは硬派な運転手の元に目の不自由な女性が乗ってくる話だったのだけど、降りる時の演出がよすぎて滅茶苦茶泣いてしまった。目的地で降りた女性が白杖をつきつつ夜の川沿いを歩き、彼女にカメラが寄っていると突然画面外から衝突音が響き、もめている声が聞こえてくる。そこからだんだんとカメラが引いていって実は運転手が他の車とぶつかってしまったのだ…ということがわかり、さらに運転手は相手に「ちゃんと道路が見えているのか」というような皮肉なツッコミをされる…というオチがつく。

 

そのあとカメラは再び寄っていき、彼女が苦笑して歩いていくところで暗転する。この一連の演出はつまり、彼女が感じている情報をそのまま映像に落とし込んでいるのではないか、と気づいた。目の見えない彼女にとって最初に聞こえるのは音だけであり、そこからだんだんと事故が起こったことを悟っていく。そうして事情を理解した彼女は微笑み、関係のないことだ(カメラの視界が車を移さなくなる)、と再び日常へ戻っていくのである。その心境をカメラワークで表現しているのでは?と考えてから、演出と彼女の凛々しさみたいなものがシンクロして沁みてしまい、かなり泣いてしまった。

 

あとは音楽もよかったし、だんだん夜が明けて終わったり、各都市の名前を台詞に入れるのも心憎かった。しみじみと「いい映画を見たな…」と思える作品でした。タクシーで帰りたくなったけど流石に高すぎるので辞めました。

 

 

 

 

知らない映画の話ばっかりしてごめんなさい、、という感じなので関係ない話題を書くと、帰りにビックマックを倍マックというパティを倍にしてくれるサービスにして、セットでテイクアウトした。パンと肉の比率が逆転して火力の上がったビックマックでした。最後のほうとかほぼ肉だった。おやすみなさい。

 

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