nikki_20220616「リズと青い鳥を再視聴しました」


 この日はひとりで長距離あるいた翌日独特の全身倦怠感とともに過ごした。再視聴した「リズと青い鳥」の感想で日記とします。内容にも触れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 いきなり別作品の話をするが、旧豊郷小学校に行ったりしたことから最近はけいおん!のこともよく考えている。ちょっと個人的に図書館でキネマ旬報を漁り、劇場版公開当初に行われた山田尚子監督へのインタビューを読んだりした。とてもよかったので印刷して保管している。そのなかでもとくに印象的だったのが以下のひとことだった。

 

 できることなら、ずっとカメラをすえっぱなしにして、いつまでも彼女たちを見ていたい、彼女たちを包んでいる空気までもとらえたいんです。そのためには、こちらから画面のなかにグイグイ入り込むよりも、少し距離をおいたほうが伝わると思うんです。(キネマ旬報社キネマ旬報」,2011年12月上旬号,p80)

 

 山田監督の憧れる「少女性」についてインタビューではわりと触れられている。少女たちを遠くからただ見つめ、その空気までとらえる。その美学に則った身悶えするほどの美しさに唸るしかない作品でした。ここが9割くらいで、あとは蛇足といってもいい。最後のほうとか全カット額縁に入れて飾りたいレベルです。設定集みたいなのがあるらしいので買おうかなと思う。

 

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 私はかつてこの作品に「モノローグが一切ない」ということを思い出して日記に書いたりしたのだけど、その重みもまた違って感じられた。コンセプトとして見ている人は壁やビーカーになるという話もあったように、決して彼女たちの内面には切り込まれない。モノローグもなければナレーションもない。それは舞台が学校のなかで閉鎖されていて、説明が必要ない部分も多そうではある。しかしそれだけではない。少女たちに「入り込む」ことをせず、距離を置くことが徹底されているからなんだろう。カメラはひたすら彼女たちを映し、ときどき視点と一体化する。それと発される言葉だけが彼女たちの感情を推し量る手がかりであり、はっきりと提示はされない。繰り返すようだけどその美学がひたすら貫かれていて、それに感動することが私にとってはすべてだったと思う。

 

 

 

 

 ここまでの表現面で9割くらいだったので、あとは内容について語るのだけどほぼ蛇足のような感想になる。

 

 公開当時に購入していたリズ青のパンフレットを読み返したりもした。パンフレットを買っておく癖があった当時の自分には感謝しつつ、いちど読んだにも関わらず(読んだのもかなり前なので)ずっと唸っていた。ここあたりの脚本の吉田氏と監督の山田氏のやりとりなんかは刺さるものがありました。

 

吉田:(前略)『けいおん!』から続いて一緒に仕事をさせていただいていますが、かけがえのない一瞬を切り取ろうとしているというか、今この時にしかない瞬間を描きたい⋯.という山田監督の在り方が端的に現れるの ではないかと。生きている限りは何かが続いていく⋯⋯。だから、その瞬間も、思いも、関わりもそこにしかない。そういった部分を山田さんは大事にされているように思います。

 

山田:そこは吉田さんとご一緒している中で見つかってきていることだと思います。以前吉田さんが話されていたお話がすごく印象に残っていて⋯⋯。

 

吉田:ある劇作家の方が書かれた、『人間失格』を題材にしたお芝居があるんです。その中で「自分たちの仕事は灰の中から小さな宝石を見つけ出すことだ」という一節があって、そういうことが私のやりたいことだとずっと思っています。生きていくことが大変で困難なことは多くの方が感じている部分であり、その中から希望や美しいもの取り出しているんです。『リズ』の場合は、ある時期の繊細で壊れそうな心を取り出しています。羽がたくさんある中で一つの羽根を拾うような映画になっていて、それが山田さんが描き続けてきたことではないかと感じています。羽全体を描くのではなく、羽の中の抜いたうちの一つを繊細に描くのが監督としての山田さんだと感じてるんですけど。

 

山田:日々がよいことだけではないのは抗えないことですけど、わるいことばかりでもないんだよ、ということに気付かせてくれるような映画にいつも救われてきたように思います。悩み多いこころの添え木になるような、深みのある感触をさがしつづけております。 

 

 パンフでも触れられていたが、映画内で完全な結末を迎えることはない*1。最初にみたときはここにかなり面食らってしまった思い出がある。大会の演奏まで描くものだと信じて最後まで見ていたのに、なんでもない日常のシーンでぷつんと途切れて終わってしまう。「途中から途中までの物語」とパンフにあったのはその通りである。*2

 

 話は逸れたが、"disjoint"が完全な"joint"になったわけではないと私は思う。この先いっしょにいるための約束を結んだようなものに過ぎず、本当に訪れるであろう別れに1mmくらい足を踏み入れただけのような、そんな変化だと感じた。童話において青い鳥は、リズから離れることで彼女の幸せにもなれる。だから言われるままに飛び立った。みぞれが青い鳥なら、まだ希美から「飛び立った」とは言えないし、その動機もしっかりとはしていない。そして、みぞれも、希美なしではここまで来れなかったと告白したようにリズのような役割がある。ゆえに明確な解釈はできなくて、絶妙な煮え切らなさが残る。ほかの人の感想とか読んでみたいです。

 

 あとはフルートパートの会話とか見たのが5年くらい前でも明確に覚えていたり、久美子たち低音パートの会話がふたりに影響を与えていく感じとか好きでした。音楽室でみぞれ、希美、夏紀、優子が話しているシーンもとてもよかった。シャーペンを持つ手に力が入ったり、上履きが擦れる音の描写すき。吉川優子さんの優しさゆえの心配、完全にくだけきらない絶妙な緊張感があってよかったな。

 

 とはいえ前述したように私にとっては表現面で9割ほど圧倒されたため、かなりよかったです。うーん…。しばらくはずっと劇伴を聴いたりして考えて過ごすことになると思います。おやすみなさい。

 

 

*1:小説の方では最後まで描かれるような話もあったので読んでみたい

*2:いちおう関西大会の演奏は誓いのフィナーレで演奏される。ちなみにそこの演奏でかなり泣いてしまった。

nikki_20220615「京都探訪記2」

 

この日は京都へ行った。特に宇治、前回行けなかった響けユーフォニアムの聖地を重点的に回っていました。多くは語らず写真にコメントを添えて日記とします。

 

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出町桝形商店街

まず出町桝形商店街へ赴いた。目的は前回休業日だった出町ふたばの豆大福

 

 

 

 

これなのですが、人生でたべたお餅のなかで一番おいしかったです。ふわふわ、とろとろ、もちもちのどの言葉でも形容できるお餅ってはじめてかもしれない。それに豆のしょっぱさとあんこの甘さが合っていて100点満点でした。20分ほど並ぶ甲斐はある。

 

 

 

なんとなく豆腐屋ところてんを買って鴨川で食べました。初体験だったのだけど、ところてんって単体だと本当に味がないんですね。やっぱり商店街って人と人とのかかわりがそのまま残っていていいなとなりました。古本屋などを物色して宇治へ。古本屋では常連と店主のおじいさんが映画の話をしたりしていて、よかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大吉山

まずは大吉山の展望台へ登る。上るのにそれなりに疲れたものの綺麗でした。これくらい解放感があると楽器吹いたり叫んだりしたくなるのもわかる。ベンチに座って曲を聴いていると風が吹いてきたのも爽やかでよかった。3期でも出てくるんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇治の観光街

 

 

観光センター。若者の姿もちらほらあったのと、修学旅行生が自由散策しているぽかった。しかし聖地巡礼しているような学生はいなかった。当然か…。平等院もあるし。そもそも宇治に来たのに、平等院鳳凰堂を完全無視して行動している方が少数派説がある。たしかに平坦な土地と穏やかめな気候でゲームのフィールドマップっぽく、自由散策するのには向いた場所だなと思ったり

 

 

 

 

 

観光もしないと、ということで抹茶やアイスを食べる。観光センターには人がいたけど例のベンチはぜんぜん人がいなかったので、巡礼目的の人はあまりなかったのかなと思ったりして、独占していた。座りながらいろいろ思いを馳せ、涼しい風が通り過ぎて行った時間がこの旅でいちばんよかった体験だったかもしれない。

 

 

 

 

 

例のベンチ

 

 

 

 

おまけ1 夕方が近づくとトビケラが大量発生する。看板から量を察してもらえるだろうか

 

 

 

 

おまけ2 京都らしさもへったくれもない謎のガシャポンがよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷

 

例の水管橋のある河川敷へ赴いたが、草が伸び放題で面白かった。ネットで調べるに、かつてはここまで伸びていなかったっぽいので時代というものだろう。たぶんアニメは放映されているときに聖地へ行くのがいちばんよい。

 

 

観光街から離れると、見事なまでに何もない郊外の土手が広がっていた。こういう風景がすきなのでとてもよかった。全体的に高い建物がないので見通しが良く、それがかえって何も無さを際立たせている。どんよりした天気もあいまってありのままの生活がそこにある感じがした。よい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校

リズと青い鳥で出てきた階段がまっさきにあったのでテンションが上がった。

 

 

 

おそらく帰り道のシーンで出てきたところ。

よく出てきたコンビニのモデルらしい。

学校の周りでうろうろするのは怪しくて長居はできなかったが、そのまま作中で出てきた高校があった。ただ坂つづきの団地をくぐりぬけ、歩きで到達するのはかなりしんどかった。久美子たちはさすがに歩きで行ってないと信じたい。周りは団地?というか住宅街が密集しているなあという感じで、生活感がよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京都アニメーション(木幡)あたり

京都アニメーション本社も拝みに行った。

よく出てきたファーストフード店。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関連するお店など

 

最初のは三室戸にある和菓子の幸栄堂。いろいろ飾ってあるらしい。17時過ぎて閉まっていたのでリベンジしたい。次にあるのは黄檗中路ベーカリー。怪物のような映りになったものの、作中に出てきたフランクデニッシュがある。ありそうでなかったパンであり、おいしかった。夜にもかかわらず地元の人がふつうにパンを買いに来ていたのでよかったな。地元の気軽に訪れたいパン屋さん、といった趣だった。近所にあったら通い詰めるかもしれないようなアットホームさがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京阪六地蔵駅



最終目的地。既に辺りは真っ暗だったが、何回も登場した駅のモデル。ホームには撮影者向けの注意事項があったり、宇治行きのホームにはいまだにキャラのイラストが飾られていたりした。帰り際の人がちらほらいたので面と向かって撮影はできなかったな…。それでも景色はそのままでよかった。ミッションコンプリートしたので帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総括

楽しかった。前述したように宇治あたりは観光地としても自然が多く穏やかな街で、アニメ関係なく場所として素晴らしかったです。それ以外は普通に郊外の町!といった印象だったのだけど、何もない郊外がすきなのでよかった。

 

直接ドラマとして舞台になったわけではないにしろあの雰囲気を受けて作品はできていて、そのなかで登場人物たちは息をしている…小さな町のあの雰囲気のなかでいろんな感情が交錯し、それをカメラで静かに捉えるまなざしが結実し、作品になっていること本当にありがたい。うれしいことですね。

 

そして聖地の範囲が広い!まともに歩いたりして制覇しようとするとかなり大変だと分かりました。前回も思ったのですが、なかなか歩いていてここが元の場所だと見つけるのが難しい。つまりはそれだけ自然な風景を何枚も撮って選出したってことで、ロケハンとかどうやってやってるのか気になるところではある。ということでおやすみなさい。

 

 

nikki_20220614「密室鍵紛失事件」

 

 ついてない日だった。予定のために家を出ようとしたら、鍵がなかった。突然の出来事。しかし今までに数回似たケースには遭遇しているのだ。落ち着いて対処するのみ、言い聞かせて周囲を探索する。それでもない。昨日の自らの行動、触れた場所を洗ってみる。分からない。あいにくスペアは無くて、外から鍵はかけられない。家を出るには鍵をかけないと防犯上かなり危うい。ここから導かれる帰結として、私は家から出ることができなくなってしまった。昨日はちゃんと鍵をかけて家に入った。ゆえに部屋のなかにそれはあるはず、これほど狭いのになぜ見つけられないのだろう。机、引き出し、冷蔵庫の下、くくったごみ袋の中身。部屋をいくつかに区切ってひとつずつ攻略してあらゆる場所を漁る手法。それも無駄だった。悪いことしてないのに何故ですか、そろそろ答えをくれたっていいじゃないですか、神に絶望しつつ3時間が過ぎた。もっと絶望となかよくなるべきなのかなと諦めかけて外に出た私に、雨天とむっとした空気が一気に襲い掛かる。そこに鍵は何食わぬ顔でいたのだった――ドアに半刺しになった状態で。あっけない解決だった。部屋の中に無いのなら外にあるのだ。厳密にはドアを部屋の一部とみなすなら半分は外で、もう半分は中に。密室の扉のなかに半分埋まって犯人は潜んでいたのだ。さながらミステリかウミガメのスープのような解決で興奮しつつ、急いで家を出た。自分でも意外なことに、見つかった安堵よりも家を出るべきであるという気持ちのほうが勝った。こういうときは安堵からしばらく気が抜けてだらだらしがちだが、そうでもなかった。扉を閉める。今度は鍵を失くさないように。

 

 足を動かしながら考える。前日は買い出しで両手に荷物を抱えた状態で疲れて帰宅し、鍵を開ける→両手で荷物をいれて入室→鍵を抜き忘れる、こういう論理だと思われた。厳密には探していた途中でドアを開けたことはあったのだけど、外の鍵穴までは見ていなかったのだ。それもこれもスペアを作っていれば諦めて家をでたときに見つかったはずで、スペアキーはあって困ることはないのだろう、と思う。赴いた先では見つかってよかったねと言われたり、マンションに住んでいるけど半刺しの鍵はよく見るよ、などと言われた。自分が今度みかけたら住人に指摘してあげよう、などと思いつつ部屋に帰宅する。そこには変化があった。部屋が少しだけ広くなっていたのだ。厳密には探すにあたって机などを除去したからそう見えただけだ。せっかくなので掃除機をかけたり、机の汚れをふきとる。そうして悪くない事件だったかもと思いつつ手を洗った挙句、洗面台の棚を倒してトイレの便器へスプレーなどが落ちて行った。やはりついてない日だった。おやすみなさい。

 

nikki_20220613「水筒革命」


 午前から用事があったので頑張ってギリギリに起床して赴く。そのまま出先で本を読んだりして、午後から労働をした。かなり早くあがれたので、散髪したり食材の買い出しをして夕方に帰宅する。生存のために必要な諸々を一気にやれた、人間的な日だったと思う。

 

 

 


 最近は飲料水関連であたらしいものを買い、少し一新した。まず水筒を変えた。前までは家族がくれたアルミ製のシンプルな水筒にしていたのだけど、変えてみた。水筒は経済的なので使いたいが、アルミ製だと洗うハードルが高い。中は見えず狭くて密閉性があり、水しか入れていなくても使うごとに洗った方がいい気がしてくる。蓋の構造も複雑めで、洗わずに数週間放置されて結局ペットボトルを買うばかりだった。

 

 ためしにこれにしてみた。繰り返し使えるペットボトルといった趣で、透明で蓋の構造もキャップとパッキンだけ、シンプルである。量は少ないが、そこが洗いやすくてよい。水(と洗剤)を入れてすすぐくらいでいい感じである。そこまで飲む量は必要ないし、なくなれば水道水を補填すればよい。大量に飲みそうな長い外出のみ、ペットボトルを買う。これにしてからペットボトルを買うことは減った。まあせっかく買ったので、お金を無駄にしたくないというところも多分にありそうではある。

 

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 あと飲料水を入れるピッチャーも変えた。2L入る100均のプラ製のものを使っていたのだけど、内側にぬめりがついたりしていた。これを1Lあるガラス製のものにした。これも容量はすくないけど洗いやすい、というやつでガラス製なのも汚れがつきにくいのではと睨んでいる。現状、水道水を入れて使用することしかしていないけど便利である。水道水から直に飲む生活を1か月くらいしていたけど、冷たい水が冷蔵庫を開けるとあるというのはやはりよいなと思う。おやすみなさい。

 

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nikki_20220612「海を見たり焼き肉を食べたりした日」


 だった。ここのところ昼と夜が逆の暮らしを続けており、それをそろそろ治さなければならない。かねてより本を数時間まとめて読みたかったこともあり、この日は朝から図書館へ赴こうと決めていた。はずだった。起きたのは13時すぎだった。それでもここ数日に比べたら早いほうなのだけど、とりあえずせかせかと家を出る。

 

 図書館近くのベンチに座り、とりあえずいま読んでいた谷崎潤一郎「卍」を読み終わった。百合といえば百合を描いた小説として有名な作品である。昼ドラみたいなドロドロした関係かつ関西弁の痴話喧嘩を延々聞かされているようで嫌だなと思いつつ、スタァライトの花柳香子を連想していた。するすると読める語りの妙がよかったです。

 

 そうして図書館に赴いたのだけど、なんと休館していたのだった。いちおう事前に公式サイトを調べて行ったつもり。カレンダーには休館日とか無かったはずなのに…と途方に暮れかけたが、よく見るとお知らせのところに「休館します」というトピックがあったのだった。カレンダーに付記してくれてもよかったのに、と思いつつもう少し遠くの知らない図書館へ行くことを決意する。

 

 こうして知らない図書館へ赴いたのだけど、ここで間違えて特急に乗ってしまうという過ちを犯す。知らない場所と焦りゆえ生じたミスなのだけど、とつぜん車窓から一面の海が見えるというイベントがあった。特急列車乗っちゃって、海へ連れてって…というような出来事だったのだけど、よかった。全くそれがあると予期しない状態で海を見る、という体験はなかなかできない。フィクションであてもなく彷徨って突然視界がひらけたと思ったら海、という場面を見るけどあれを疑似体験できたのだ。うれしい。

 

本当に車窓一面が海でした。



 

 

 

 

 海水浴場みたいなところもやっていて、流石に海に入っている人はいないまでも、ビーチバレーをしている人・釣りをしている人がたくさんいて楽しそうだった。あと海水浴場周辺にありがちな、ちょっとハワイっぽいお店とか寂れたファミレスも味があっていいな、となっていた。とはいえ間違えた目的地であることには変わらず、折り返す。

 

 結局、図書館に滞在できたのは1時間半くらいだったかもしれない。推理短編として麻耶雄嵩「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」「シベリア急行西へ」、泡坂妻夫「DL2号機事件」を読んだ。いろいろ唸らされる作品で楽しかった。

 

 読んでいるときに背中に違和感があったので、読み終わって見ると羽虫が背中に入っていた。途中で何かが首筋に止まった感触はあったのだけど、なかに入っているとは思いもよらなかったな。奥まった図書館でなぜ、という思いがありつつ外へ逃がしてあげた。

 

 帰りに焼き肉を食べることにした。最後に焼き肉を食べたのはいつか覚えていない。それはおそらく実家に帰省した際で、焼き肉とはいえ分厚い肉をステーキみたいに焼いて食べよう!みたいな食事だったはずだ。焼き肉とは言い難いかもしれない。しかしそれを除くと、純粋な焼き肉はかなり前になる。あとお店で食べたのは小学校の子ども会以来だと思う。十数年ぶりだ。

 

 ひとり焼き肉のお店で檸檬サワーと一緒に食べた。ひと口めがかなりよく、やっぱり肉しか勝たん…の気持ちになる。とても幸せな時間だった。しかし調子に乗って元を取ろうとごはんのおかわりをしすぎて、店を出るころには嘔吐しそうになっていた。ここから帰宅するまでがわりと地獄で、お腹を落ち着かせるために座り込んだトイレの個室で30分眠る、駅のホームでポカリを飲んでやりすごす、などを経て帰宅した。結局吐くことはなく今は健康体なのだけど、肉の油に慣れない人間がいきなり焼き肉を食べすぎるとよくないよ、という教訓でした。だからいきなりステーキ(原義)ってあまりよくない気がする。

 

 なんだかんだ充実した一日だったと感じる。外出した休日も久方ぶりだったが、やはり面倒さを振り払って外に出るといいのかもしれない。おやすみなさい。

 

おいしかったです。

 

nikki_20220611「無題」

 

 また日記がたまった。この日は夕方くらいに起きて、ちょっと作っている曲を触ってみたり、本を読んだりしたら深夜になっていたので寝た。実りのない日だったといえばそうなる。しかし何かを作っているときの休みの日って往々にしてこうだった気もするし、無為に過ごしたことに対する充実感というか久しぶり感みたいなものがあってよかった。そう現状を肯定したいだけかもしれない。最近はわりとそういう過ごし方を無理やり肯定したり、大したこともなく凄い嬉しいことがあるわけでもない日常を俯瞰して幸せなことだな、と肯定することが多い。これはのちにちょっと大きな取り組む予定があって忙しくなることを予期しての行動だと思う。話は逸れたけど、自分の創作は足踏みとか一歩進んで二歩下がることの繰り返しで、いつの間にかできている/締め切りがやってきて強制的にできた、そんなことばかりかもしれない。おやすみなさい。

nikki_20220610「プレイリスト25」

 

50曲ごとに区切っているプレイリストが溜まったので書きます。前回は以下。

 

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 フレデリック「オドループ」は久しぶりに聴いたらやはり繰り返して聴くことになってしまった。須田景凪(バルーン)アレンジバージョンも最初はリストに入れていたけど、本家の方がすきでした。花譜「蕾に雷」は長谷川白紙氏の曲なのだけど、これを歌いこなす花譜氏の表現力がすごい。あとちょっとした息継ぎ?とか咳?のような「んっ」みたいな声も曲の一部として生かされているの、両氏のセンスに圧倒されつつ曲自体が息をしているみたいだな、と思ったり。ナナヲアカリ「ベイビーあいへいちゅー」、ハネたリズムがナユタン氏らしからぬグルーヴ感なのと、合いの手がかわいくてすき。おいしくるメロンパンは新しいアルバムをまだ1回しか聴けていない。トロイメライはMVを見たときからかなり好きでした。

 

 くるり「五月の海」は「五月」がタイトルにある曲を探していたら知った。小沢健二「流動態について」大滝詠一君は天然色と合わせてゴールデンウィークあたりに聴くのにぴったりでした。それでいうとTEMPLIME、星宮とと「cold tears - original」はGWあたりに公開されたEPのうち1曲 もともとリミックスがsoundcloudにあって、その元らしいのだけどとても好きでした。ちょっと古めの雰囲気もまといつつ爽やかで、しかし星宮とと氏の物憂げな声が切なさも孕んでいてよいです。ここから少しずつTEMPLIME氏の曲を聴いていくと「ふわり(仮)」もとてもよかった。

 

 ここからネット音楽?として菅原圭「エイプリル」Nyarons「Yellow」を知って、どちらもよかった。「Yellow」は流行りのシティ・ポップさと甘い感じの声で間違いなく好きになるやつでした。何曲かザッピングするだけで分かるかもしれないが、私は女性ボーカルが好きである、そのことがこのプレイリストだけでもかなり分かるようになっている…。

 

 ここから渋谷系アニソンのプレイリストをいくつか聴いてよかった曲と、そのまま渋谷系の楽曲が並んでいる。どれもよかったです。「Naughty night, Magical night」cymbalsを意識しつつアニソンにする手つきが鮮やかで、何回も聴いた。ひなビタは知らなかったのだけど「neko*neko」もよかったです。王道に萌えという感じの歌詞や歌い方なのだけど、渋谷系っぽい音楽もあいまっていいね~となってました。

 

 andymori「すごい速さ」はタイムラインで流れてきて聴いたらよかった。1分30秒もなくてもいい曲はいい曲だよなあ、とちょっと感動していた。土岐麻子「SHADOW MONSTER」もインターネット経由で知ったのだけど「捜し物は踊らなきゃ見つからない」のフレーズがすき。


 あとはたまこまーけっと、響けユーフォニアムを見たのでそれ関連の曲がある。地味にたまこまーけっと「ドラマチックマーケットライド」渋谷系アニソンのプレイリストにあったのだけど、作曲家は別に渋谷系?というわけでもないっぽいです。北宇治カルテットヴィヴァーチェ!は何回も聴いている。2期のエンディングは卒業を意識した、という風にインタビューで言われていて歌詞を聴くと確かに…となるけどアニメで久美子たちはまだ卒業してないわけで、不思議な気持ちになるなど。

 

 あと歌詞もいちいちよくて、「光る音が涙を照らしてくれる 辛いことばかりじゃない だっていつもいつも楽しかったそうでしょう」とか好きですね。「辛いことばかりじゃない」というメッセージはよく聴くけど、その理由を帰納法?的に示しているのは新しいかもしれない。「今までが楽しかったからといって、これからもそうだとは限らないじゃん!」といえばそうなのだけど、それをはねのける明るさというか音楽と歌自体の説得力ががあっていいなあ。あとまだ久美子の歌声がどれか分かってないです。キャラソンとかあるのかな


 しぐれうい「シンカケイスケッチ」もよかった…。田中秀和氏ということで聴いたのだけど、間奏のチャイムのとことか好きです。コード進行もたぶん普通ではなく、いつも通りの感じながら何回も聴いてしまうよさがある…。「Just the Two of Us」「Virtual Insanity」はなんだかんだでちゃんと聴いたことなかった。あとひがしやしき氏のオタクラップもいくつか聴いたらよかったので、徐々に聴いていきたい。TEMPLIME、星宮とと「イレイサー」も好きでした。TEMPLIME氏、打ち込み系もやったかと思えばこういうバンドサウンドもできてしまうの強すぎる。「駅から5分歩いた店」などの日常感と切なさが好きでした。京都当たりに赴いたときに電車ではじめて聴いたのだけど、何でもない街を見ながら聴くのに合いすぎていてよかった。「Breath」のをとは氏のラップもよかった。

 

 最後の方の数曲はそのまま次のプレイリストの頭に持ってきている(知って日が浅く何回も聴きたいので)けど、強いて書くなら長瀬有花「とろける哲学」は何回も聴いています。前にいっかい聴いたことはあったのだけど、改めてねこむらさんの優しい音楽はよいしこの方のとろけるような声が絶妙に合っている…。タイトルもかなりよい。とろける哲学ってダリの時計が溶けている絵みたいな、そういう不思議な気持ちよさがあるような。ピノキオピー「転生林檎」、は意外にストーリーが分かりやすく、はるまきごはん・キタニタツヤ「月光」は強すぎでした。おやすみなさい。