nikki_20230201「ボーナス・トラック」

 

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これは2/2の出来事になるけど、ぼんやりと星野源のアルバム「Stranger」を聴いていた。このアルバムには所謂ボーナストラックのようなものがある。アルバムを読みこんだときの表記としては「secret track」で、最後の曲が終わってからアルバムには表記されていない13曲目のトラックになる。最初は長い無音が続いて、そうしてわずかに室内で録音したとおぼしきノイズが流れる。弾き語りで最後の「Stranger」という短い曲が流れて終わる。この曲が私はすきで、歌詞の意味も掴みかねるのだけど闘病を経て出されたこのアルバム――Stranger、そのものを作っている星野源氏の心情が歌われているような気がしている。一部の曲はくも膜下出血で倒れる前のものであり、その前と後で変化した彼の心情が「もう一人の自分(Stranger)」に託されているような。

 

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書きたいのはそれだけでなく、サブスクではボーナストラックを聴く愉しみは失われているのだろうか、というところにある。実際にサブスク配信されている「Stranger」には明確に13曲目がある。そこに最初の無音部分もない。私がこれをはじめて聴いたのは中学の頃で、買ってきたアルバムを嬉々として聴いてから13曲目を知った。同じような時期に触れたボーナストラックとしては、RADWIMPSの「絶体絶命」もあるけどサブスクを見たら収録はされていなかった。。もうサブスクではそういう体験はないのかもしれない。

 

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ただ違う例も知っていて、それはリーガルリリー「the Post」というアルバムにある。このミニ?アルバムの最後の曲は「好きでよかった。」というものなのだけど、サブスクで聴くとなんと15分もある。通して聴いたときにびっくりしたこの長さに、仕掛けがある。5分ほどで曲がだんだんとフェードアウトして終わると、そのあと無音が続いて、しばらくしてから別の曲がはじまる。はじめはこれで1つの曲なのか?と思ったけど、これはおそらくボーナストラックだろう。この曲は途中で長い印象的な語りが挟まれていて良い。実際のアルバムを見ていないので、CDではどう収録されているのか分からない。これもまたひとつのボーナス・トラックの在り方だと思う。ただこれも曲の長さからわかってしまうから難しい。アルバムは通して曲名を見ずに聞き流すのがいいのかもしれない。