nikki_20220429「海へ出るつもり」


 夜頃に起きた。3連休とひっくり返った生活を生かすため、前からしようと思っていたことをした。夜通し歩いて海を見に行く、というものである。0時を過ぎてから出発し、ただひたすらに歩き続けた。夏頃に似たことをしたときは脚の内側が汗で痒くなるなどの問題に見舞われたが、今回はそういうことはなかった。また、反省を生かしてこまめに座れる場所を見つけたら座るようにした。それでも終盤はしんどかったが、4時間ほど歩いて海に到達したのだった。1時間くらい休憩すればまだ歩けたかもしれない。

 

 こういうことをするたびに思うのは、終わりが見えない道の恐ろしさである。この道で正しいのか? あとどれくらい進めばいいのか? これらの問いは絶えず頭の中で反芻され、疲れと共に負の感情を引きずり出してくる。地図やGPSという利器を以てしても、やはり身体的な不安は消えない。古代の旅だったり、少女終末旅行だったりフィクションに出てくる終わりの見えない旅を続ける人々はほぼ狂人であり、彼らの精神がいかに強靭だったかと想いを馳せる。対して帰りの道は同じ道程でも気楽なものだったりする。これを人生とか作業とかの教訓とするのはもう腐るほど出ていると思うので言及しないが、それらの言説が改めて正しいのだと思い知らされるのが長距離散歩である。おやすみなさい。