夜中からこの日の明け方にかけて「響け!ユーフォニアム」の1期を見ていました。感想を書きます。作品にかこつけて自分語りというか私と吹奏楽の遍歴を書くとするならば、中学ではバストロンボーンを吹いており、高校ではコントラバスを弾いていました。つまるところ久美子たちと同じ中低音の領域を担当していたということで、その時点でいろいろ思い出した次第…。実力はというと高校はコンクールとかには出なかったのでよく分からず、中学は県大会の銅賞しかとっていなかった。さながら滝先生が来る前の状態どまりで、僕の代が引退した後で銀とか金を取るようになったらしい。あと同じパートの後輩に上手な子がいて、僕が引退したあとにその同期だった子が辞めたっぽかった、ということもあり、、、経験者と非経験者の差とか、それも思い出したりしていました。
京都アニメーションの作品はこれ以外だと聲の形、リズと青い鳥、けいおんを見たことがあったのですが今回も本当によくて、なんでこんなにいいのかを見ながら考えていたのですが、身体の描写なのかなと思い至りました。言葉を介さずとも少しの仕草から感情が伝わる、という描写が多い気がします。小説においては情景描写というのがありますが、それをアニメでやっているような(仕草を描くことも情景描写のうちに入るのかは分からない)。そして、それと楽器を演奏するという行為の身体性、そことの親和性が高いような気がする。これはけいおんも然りなのですが…。
具体的に言及すると楽器を握る手に力が入ったり、10話で香織先輩が再オーディションを希望する時に意を決してすっと手を上げる仕草とか、あとは8話の久美子と麗奈の展望台におけるやりとりとか、11話のオーディション前のふたりのやりとりとか、交わす言葉は少ないのにこれでもかと身体の描写で情緒を揺さぶってきて本当によかったですね。以下、6話以降から見た(5話までは見たことあった)ので各話でメモしていた感想です。
6話 中学のときもろにコンクール会場で「プロヴァンスの風」は聴いていた世代なので絶叫しそうになった。なんとなくスポ根ものだなという雰囲気は感じるのだけど、こういう系譜は好きかもしれない。ただ精神的に疲れるので日常系のほうが好きなのは変わらないかも
7話 合奏の休憩でみんなが一気にトイレいくのとか、当てられて上手く吹けずに気まずくなる感じあるあるだった。これは全体に言えますが、わざともたついた演奏とかを再現するのが上手い。音楽製作協力が洗足学園音楽大学らしい。
全体的に色調が暗い回でギスギスした感じというか、改めて吹奏楽部(に限らないかもしれませんが)は社会の縮図的なところがあるなあと…楽器に自分の顔が映りこむ描写すきでした。辞めた人が戻ってこないないまま終わるのよい。ちゃんと主人公以外に焦点を当てて描いている群像劇的な部分も好きです。群像劇が性癖なので
8話 感想をメモしていなかった 1回日常回を挟むような感じかなと思っていたのですが、ずっとやばかったです
9話 メモしていなかった オーディションの緊張感とか、やってないところまでもろに当てられて焦る感じとか上手い…。
10話 メモしていなかった。
11話 個人的にはここらへんで描かれている中世古香織と吉川優子の先輩後輩の関係性が刺さってしまい泣きそうになっていた。憧れている先輩にソロを吹いてもらいたいという気持ちはよく分かるし、そんな先輩にぽっと出の後輩が敵うはずないと思いながらも実力に圧倒されてしまうのは哀しさがある。あと前述したように久美子と麗奈のオーディション前のやりとりもよかったです。光と影の描き方が最高
吹奏楽ってみんなでひとつの作品を作り上げる団体競技的なところがある 一丸となって素晴らしい芸術を作り上げる、という目標を前にすると、究極的には個人の「こうあってほしい」という願望は切り捨てるのが理想ということになってしまう。だから最高の芸術のためなら上手い人が演奏すればいいし、そこに最後のコンクールだから出たい、とかステージに立ちたい、憧れている先輩にソロを吹いてほしい、みたいな私情はいらないという思想はやや共感できる。だから決まるべきことも決まるし、そういう目指す場所へ向かう意志と個人の感情の摩擦というものが、すごい描かれていると感じた。つまりは絶対悪みたいな人って出てこないわけで(これはどんな作品でもそうかもしれない)、それが妨害みたいな行為になっていたとしても、各々がこうあって欲しいありたいと思っていることが「全国を目指す」という目標に対してぶつかっている。Twitterでひねくれたオタクをやっていても、やはりそんなのよりストレートに何かに向き合っている人ってどうやっても美しくて、そういう真っすぐさというものに胸を打たれた感じです
12話 橋を走るシーンだ!なんとなく噂は聞いていたのでこれだ!となりました。上手く成りたすぎて涙を流し、悔しくって死にそうだと言えるようなことがいまの自分にあるかというのを突きつけられたような気がして、前述したようなひたむきさですね、そこが刺さりました。これはスタァライトで負ったのと同じ傷でした
最終話 実はこの回だけ放送された当初、深夜にやっているのを見たことがあった。当時中学生で、まさに同じようにコンクールに挑んでいたため、とても共感できたのをやけに覚えてます。時を経てこうしてこの話まで辿り着いて見ることができたのが本当に嬉しかったです。音出しのシーンでペットボトルの水がわずかに震える描写があったのだけど、細かくて感動してしまった。ドアが開いてステージが見えて緊張感が高まるあの感じとか、あすか先輩が始まる前に寂しさを吐露するのとか、かなり共感出来ました。結果発表のときにほぼ台詞が無い演出もよかった、、
本当は劇場版までぜんぶ見てから描きたかったのですが、日記に書くことが無いので1期だけ先に書いてしまいました。2期はいま見る決意を固めてます。おやすみなさい。