nikki_20230512「入手したCD雑記」

 

さいきんcdを物体として手に入れることの意味について少し考えたことがあり、それは記憶の管理でもありそう、と思い至った。サブスクリプションなどデータで無際限に聴くことができる現状で、このまま新しい曲を知り続ける。すると自分でも忘れていく曲があるのではないか、私はぜんぜん聴いていない部類だけれども、そんなことをがふいに頭によぎる。

 

物理媒体で音楽を保持することは、忘れないためでもありそうだと思う。膨大なデータと膨大なディスク、どちらが検索性がよいのかは分からないが、直感では物理が勝つ。たとえ忘れても参照は容易く、持っているという感覚が記憶を確実にするような気がしている。もちろん私が物理で手に入れるモチベーションとしては、ふとしたときに挿入してボタンを押し最後まで聴く流れを味わいたいとか、ウォークマンで何度も再生したいとか、アーティストにお金を落としたい、なども存在している。

 

古本屋には高校のころからよく行っていたが、去年から今年にかけてはcdを中古で入手すること、その愉しみが分かってきた感覚がある。特に今年に入ってからは、ブックオフ駿河屋でじっと棚と対峙し、知っている名前を探す作業が好きになりつつある。棚の入れ替わりが激しいというほどでもないが、知る音楽が増えるたび、見て気づきを得られるのは本屋と同じである。それらの感想を書きたい。入手経路は様々だが、主に中古のものが多い(ちゃんと新品を購入したものは付記する)。

 

 

 


カネコアヤノ「群れたち」
新品 サブスクにない全編弾き語りのアルバム。弾き語りは本当にシンプルなものだから、その強度が高い彼女はやはりすごいとわかる。「春」「旅行」「やさしい生活」がすき。「春」はバンドアレンジをライブで聴けたのがうれしかった。

 

月あかり研究会「宝石の降る夜に」
新品 オールタイムベストに入るであろう名盤で、作品の在庫があったので購入した。歌詞カードのアートワークも工夫があってかわいいし、文字にすることで言葉がより伝わってくる、その側面が良く作用する曲なので買ってよかった。

 

メランコリック写楽「月夜の超特急」
2017年に解散したバンドの存在を、なぜか最近たまたまyoutubeで知る。既に売られていないため少し高かったが、どうしても聴きたかったので中古で購入して聴いた。どの曲も良くて、個人的には名盤だと思っています。全曲外せないけど「ムーンレフト伝説」「山椒魚」が特にすき。「ムーンレフト伝説」の「あなたに返しそびれた腕時計をタオルで覆って」って歌詞すき。地味にあまり思いつかないワードセンスだと思う。

 

ロキノン系?の音とゆるい歌詞に女性ボーカル、カラスは真っ白相対性理論パスピエが私は好きで、そこに刺さったと書くと、どのような感じが分かるかもしれない。2017年というと私は高校生で全く認知はしていなかったのだけれど、インターネットを見ると意外と青春の曲……と言っている人がちらほらいて、どうやって知ったのか気になる。けれども2017年ごろのインディーズバンドやボカロってこんな音だったような、という勝手な懐かしさもあり。最近ナユタン星人を聴いてそのようなことを考えていた。これは1万円以下だったけどほかのアルバム(のこり3枚)は軒並み1万円を超えておりつらい。本気で迷っている。

 

ヨルシカ「幻燈」
新品 ヨルシカの一番あたらしい(画集の体裁をとった)アルバム。本当に絵を読み込んだときにしか聴けないようになっていて、手間がかかるようになっている。その意図は本の中でn-bunaが語っているが、絵と音楽の唯一性を結び付けた仕掛けである。一回読み込んで、そのページを開いておけばいいだろうというズルもできない。しかも(現時点では)インターネット環境がなくなると一発で聴けなくなる。この手間からまだ1回しか聴けてないです。

 

disc1にあたる「幻燈」は、全体的に優しい音作り・かつ大衆音楽としても完成している曲たちだと思った。歌詞の世界観は変わっていない。今回は絵やキャプションもあいまって古典文学のオマージュが強く押し出されており、そこにノスタルジーの要素が合わさっている感じだった。靴の花火がよかった。過去曲をアルバムに組み込んで再解釈するみたいなことはよくやっている一環だけど、ギターソロが健在でうれしい。あとヨルシカはBメロを飛ばしがちな気がした。気の所為かもしれない。

 

open.spotify.com

 

disc2にあたる「夢十夜」はインスト集であり、「幻燈」のJポップらしさから一気に尖った感じになったなと思った。ナブナさんがわりと前からピアノを弾けることは知っていたけど、かなり上達していてすごい。この感じがいまのファン層にどう受容されるかは気になるところがある。

 

あと個人的に考えたこととして、この「第一夜」がおそらく「花と水飴、最終電車」(アルバム)を意識しているというのがある。あまり考察みたいな真似をしたくないけどします。まず画集に描かれている女の子と、「花と水飴」のジャケットにある女の子の服装が同じだった。あとは歌詞で、一日の流れを描いているという全体からも、列車の窓を少し開いて夜の花火を見る描写、人混みに行って白い花を一輪持つ描写などから確実に意識しているのだろう。ちなみにこのあとの第二夜はかえるがテーマで、これも「月を歩いている」なのかなと考えていた。指摘している人が見つからなかったので出しゃばりたい気持ちと、こういう真似はしたくない自意識が拮抗している!のであとでこの部分は消すかもしれません。

 

でもこのオマージュに対してどう思うか、というとそうですねという感じである。ファンサービス的でもあるけど、ナブナ氏には別にそんな目配せはしてほしくない、という気持ちがある。そもそもなにかをオマージュすること自体って手法のひとつであって、その行為自体が評価されたりするのか?みたいなことは最近すこし考えていた。

 

さよならポニーテール「青春ファンタジア」「魔法のメロディ」「モミュの木の向こう側」「空も飛べるはずビアンカ/恋するスポーツ」「なんだかキミが恋しくて」「きらきらのEP」「神さまのイタズラ」
最後のふたつは新品 一度狂ったように買い集めてしまったときがあった。中古のものはすべて初回限定盤であり、まだ特典をちゃんと確認できていない。曲に関してはカバー音源である「SAY YES」(青春ファンタジアのDisc2)が本当によかった、原曲を大胆に変えつつイントロとアウトロの楽しそうなコーラスから、もううれしい。このDisc2にはBiS、lyrical shoolによるカバーも収められている。そちらは音楽性というより純粋なカバーとして歌声に重きがおかれている印象だった。

 

空も飛べるはずビアンカ/恋するスポーツ」のDisc2に入っていた他アーティストのリミックスもよかった、ヒャダイン空気公団Galileo Galilei、fhána、tofubeatsという豪華かつ間違いない布陣である。このcdはソニーミュージックに所属していたころのものであり、それゆえの面子だなと思っている。本当に全曲よかったが「自転車えくすぷれす(空気公団Remix)」が一番すきです、最近ずっと聴いている。元曲の1番2番Aメロを最初のAメロにして、Bメロ→サビ→間奏→Bメロ→サビ→サビ(繰り返し)という構成自体を大きく変えたアレンジであり「今夜は最高 終わらないで」を溶けていくように繰り返すあたり原曲を理解しているし、アウトロのコードのアレンジも最高……。fhánaの「魔法のメロディ」もストリングスに個性が出ていておおと思いました。

 

ほかの曲もまだ通っていなかったもの(モミュの木など)があったりで、じっくり聴いている。「神さまのイタズラ」あたり本当にすき。ちなみに漫画も購入したのだけど、まだ読み切れていないのでまた感想を書きたい。初代神さまの絵柄からは宮崎夏次系らしさを感じている。

 

 

あとは雑多なもので聴いていなかったりするので、簡潔に書く。

 

フリッパーズ・ギター「カラー・ミー・ポップ」「続・カラー・ミー・ポップ」フリッパーズ・ギターを通っていないのだけどたまたまベストアルバムを見つけたので買った。

 

相対性理論「シフォン主義」「ハイファイ新書」「正しい相対性理論

 

コンテンポラリーな生活「彼らは鉄腕ナインティーン」…「ひとえの少女」すき

 

SAKEROCK「SAYONARA」「SAKEROCKの季節 Best 2000-2013」

 

新庄かなえ(CV:三森すずこ)「ファッとして桃源郷

 

青葉市子「剃刀乙女」「檻髪」「0」…まだ聴いていないが、単色で紙の手触りがするジャケットが良い。「qp」「うたびこ」も揃えたい。あと「剃刀乙女」には本人作の絵本がついているのだが字やイラストが小学生が書いたような筆致であり、その絵柄で流血表現があったりで普通に怖い。子供の頃に見ていたら軽くトラウマになっていたと思うけど、なにを意図したのか分からない不気味さがある。

 

けいおんのcd「NO,Thank You!」「ごはんはおかず/U&I」「Singing!」「Don't say lazy」…前も思ったがドラム抜き、ベース抜きなどの練習用音源が入っているのは本当にすごい。ぼざろでもやってほしい。「Singing!」は初回盤であり、通常版のジャケット(水色の服を着ている5人)が本当にすきなので手に入れたい。

 

北白川たまこ(CV:洲崎綾)「ねぐせ」…10周年だったので。

 

アイドルマスターシンデレラガールズ無重力シャトル…なんとなくアイマス知らないからとcdを買った。ゆずの北川さんが担当した曲。個人的にはごちうさの「なかよし!〇!なかよし!」(チマメ隊)とサビが似ていると思っていて、どうでしょうか。

 

以上