nikki_20220503「梅田を歩く」

 この日はといえば、大阪の梅田へ赴いていた。主に目的は3つほど

 

 

 

 

ヨドバシカメラを完全攻略する

 梅田にあるヨドバシカメラはかなり広い、という噂を聞いたことがあった。ジュンク堂は隅から隅まで見たことがあったのだけど、ヨドバシはまだ未踏の地である。全てのフロアを巡回してみようという目的で、特に買うものはない。この広さについてはライターであるヨッピ―氏の記事で知った。これは2014年の記事で異なる部分はあるが、いまは「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」という名前らしい。おそらくこの「マルチメディア梅田」という建物をすべて周回するとなると本当に1日以上かかってもおかしくはないため、今回はヨドバシに限定した。

 

 

 足を踏み入れると、フロアは地下2F~5Fまであった。だいたいの建物がそうだが長方形状になっていて、長辺に沿って2本中心となる道がある。この中心の道が圧巻で、おそらく50mくらいあるのだ。そこを通るようにして一周し、気になったところを覗き見ることを全フロアでやった。…というのは嘘で、地下の存在は完全に忘却していたのだった。また行きます。

 

 時間は意外に呆気なく、2時間くらいで回ることができた。しかしそこには森羅万象があったといっても過言ではない。おそらくスーパーで買える生鮮食品以外のものが全部売っているといってもよいだろう。家電はもちろんのこと、高いお酒、デキャンタ、ドラッグストア的な場所、調理器具、文房具、ガシャポン、望遠鏡、テントなどキャンプ用品、革製品、フィギュア、ピアノなどなど、さながらドン・キホーテのようなジャングルであった。各階に電池のコーナーがあり、おそらくそこを集約するだけでもすごい量になりそうだった。

 

 印象に残っているのは漫画・アニメグッズのコーナーで、やはりGWとだけあって混んでいた店内のなかでは最も空いていた場所だった。家電量販店にある漫画・アニメグッズ・DVDの妙な不揃いさというものがある。漫画の品ぞろえも多くはあるのだけど、本屋とは違う、レンタルビデオ店のような妙に背の低い棚に置いてあるのが面白い。種類があるにはあるのだけど、何も置いていない棚が多かったり、立ち読み防止のためにケースに入れてあったりするなどシュールさが際立っていた。ラノベもあるのだけどおそらくあまり買われておらず、カゲロウデイズが1巻だけ中途半端に取り残されていたりする。

 

 アニメグッズもディズニーやドラえもんのものがあったかと思えば、隣にリゼロや鬼滅の刃があったりする。極めつけともいえるCD・DVDコーナーでも古いCDがくすんだビニールに包まれて並んでおり、強いてアイマスラブライブウマ娘だけ異様に品ぞろえが充実していた。買いに来る層がいるのだろう。もしかするといまは予約したものを受け取るのが主流で、売り場まで見に来て出会ったものを買う人は少ないのかもしれない。そのほうが特典もあるだろう。いたとしても、僕みたいに一周回ってメタ的にその古さを漁りに来ている人が多いのかも。いずれにしろよかったです。今度は誰かとあれこれ話しながら回りたいけど、本格的に暑い季節にやると冷房の寒暖差でやられそうな気もする。

 

写真を撮るのはよくないが、ボカロがたくさんだったので…。可不はないけど星界はあってよかった

 


楽器店でヘッドホンを修理してもらう

 1年くらい前に買ったモニターヘッドホンが壊れて片耳しか聴こえなくなったため、修理しに行った。といっても本当に見に行っただけで特筆すべきことはない。結果として、買ったお店(地元)で相談する方がよいということになった。たぶん新しいのを買うことになると思う。ピアノで聴き覚えのある旋律を弾いている女の子がいたのだけど、どうしても思い出せなかった。Shazam(音楽を聞かせたら曲名を教えてくれるアプリ)を駆使しても雑音が多すぎて難しく、いまはその旋律すら思い出せなくて、もやもやしている…。秒速5センチメートルの「想い出は遠くの日々」だった気がするけどたぶん違う。

 

 

 


 閑話休題。ヨドバシの近くで長蛇の列をなしているパン屋「ROUTE271」があったので、30分ほど並んで3つパンを買った。近くのベンチで食べて昼食とした。調べたところどうやら人気店らしく、3つで1000円したのでコンビニ菓子パンばかり食べている僕には十分すぎるほどだった。そもそものパン自体がふわふわで甘く、パンではなく料理・スイーツだと思った。唯一後悔したのはわりとボリュームがあり、残して持ち帰るにも入れるスペースもなく無理やり食べて味を楽しめなかったことである。でもかなりよかった。

 

 

オレンジのクリームはおそらくカスタード

 

名前を忘れたのだけど、この蒸し鶏のクロックムッシュがよかったです。ほぼグラタン

 

 

 

 閑話休題2。時間があったので書店で本を買った。もとは新しく発売された暮田真名の句集「ふりょの星」を購入予定だったのだけど、弾んで8冊くらい買っていた。普段は静かな文庫・詩のコーナーでさえ人の話し声が目立って複数聴こえてきたので、連休をしみじみ感じていた。

 

 

 


劇場版スタァライトを見に行く

 書店に寄っていたらギリギリになっていたのだけど、梅田ブルクでやっていた少女☆歌劇 レヴュースタァライトの映画を見に行った。総集編と劇場版の2本立てで計4時間ほど…。これで何回目か具体的には覚えていないが、たぶん10回目だと思う。日中はずっと歩き回っていたので、途中何回か眠っていたことを除けば完璧でした。とはいえレヴューが始まると必ず目が覚めていた。

 

 興味深かったのは無発声応援上映という形式で、応援上映自体が初参加だったのだけどキャラが登場したり、口上を述べたり、レヴューが終わると無言で拍手がさざめくのだ。そしてペンライトがたくさん振られる。気になる人は気になってしまうだろうな、と思いつつこれが発声可だったら「華恋ー!」「舞台少女!」みたいな声が飛ぶのかなーと眺めていました。以下はもういろいろ読み過ぎてどこから自分の考えか分からなくなっている、だらだらした感想です。たぶん7割くらいはほかの人の受け売りだと思う

 

 ロンドロンドロンドは総集編として作りつつ新しい情報を紛れ込ませる構成力の高さが素晴らしかった。例えばまひると華恋が同じ部屋だったけど、そこでひかりも一緒に生活するようになった…ということは明示はされないのだけど、ひかりがベッドで横になっているカットや、まひると華恋のレヴューを通じて分かるようになっている。これは些細な点なのだけど、このような行間を読み取ると補完できるから省略している点が多くて、すごいなとなっていました。あとは願わくば劇場版が公開される前、リアルタイムで見て衝撃を受けたかったなと叶わないことを考えていた。

 

 劇場版は怖いくらよくできているな~という感嘆にふけっていた。上昇と落下という骨組みが核にあるそれぞれのレヴューは、いわば戯曲スタァライトを主題とする変奏曲のようなものだと思う。そのなかで落下はそれぞれの意味で解釈されるのだけど、ひとつひとつが、ひかりが華恋へ向かうための準備・役作りの意味としても機能している。そうして物語全体を貫く列車が終点まで来ると東京タワーが爆発して終わる。精緻に組み上げられた話が、爆発というとても分かりやすいカタルシスで終局を迎える美しさみたいなのがある。これは爆発で全てを有耶無耶にして分かりやすくなっている、という意味ではない。終わった後も拍手があって僕も一緒にしてたんですが、わりと長かったです(公開日ラストだったというのもありそう)。いろいろ徘徊で来て充実して楽しかったが、人が地獄のように多いのはやはり疲れたので残りは家で過ごしたい。おやすみなさい。