nikki_20220225「つくみずらくがき画集が届いた/さかな」

 

 朝の11時からカラオケを予約していたが、起きたら12時だった。少なくとも僕のよく行くジャンカラしか知らないが、最近のカラオケは完全非対面で済むようになっていてすごい。スマホで予約すれば、お店では部屋に直行してアプリの「入室しました」ボタンを押すだけ、帰りは表示されるバーコードを精算機にかざして帰ることができる。多少良心に託している部分はあるシステムだけど、かなりスムーズなのでコロナ関係なく今後もこのシステムが続くのだろうと思うし、そうあってほしいものです。ちなみに予約時刻から一定時間を過ぎると自動キャンセルになる。きょう起きた時点ではまだされてなかったのに、しばらくして見るとキャンセルされていた。ほかのカラオケを見るもどこも満室。大学生は春休みなのだなと実感した。

 

 行き場がなくなってしまったが、持っているギターを気兼ねなく弾きたい気持ちはあったので淀川の河川敷へ赴いた。カラオケとは打って変わって本当に人がいない。あと休日の野球少年たちが試合をしている様子もまったくなくて、とりあえず座った場所の近くではyoutuberかビデオレターなのかよく分からないけど、踊っている様子をビデオで撮影している人がいた。あとは部活で走っている人や、散歩している老人などが前の道を通るだけの、いい感じの閑散さがそこにはあった。よかったのは寝転がってじゃれあいつつ話している人々、紙袋から花束を出してそれをふたりで眺めながら歩いている人がいたりしたことですね。ささやかな幸せ感があってよかった。

 

 

 

 

 帰ると(厳密には家を出たときに気づいて開けたが帰ってからの楽しみにした)包みが届いていて、中身は注文したつくみず先生の画集だった。再版されているタイミングをくぐり抜けて命からがら手に入れたものなのでかなり嬉しく、じっくりと1時間くらいかけて読んだのだけどよかったです。この日に注文したもの

 

isitsutbustu-todoke.hatenablog.com

 

 

 


 いつかの日記でも書いたようなことだけど、絵を描くのってその人にとって見えている世界を印刷して出力するようなものなのだなと思う。もちろん実際に黒いものを白く描くみたいなことはあるのだけど、それも含めて本人の想像を出力しているのでは。そしてそれを抜きにしても、本人の世界に対する認識というのは絵には反映されるものだろう。つくみず先生の絵は線のふるえが独特で、不謹慎な例えをすると教科書などで見る薬物中毒者が描いた絵の線を連想してしまった。不自然な線の震え、歪んだパースだったり輪郭線が他のものに貫通していたり、ありえないものの組み合わせ、時々出てくる自傷や死のイメージが不穏だけどかわいい。以下のようにしっかりしたパースで複雑な構造物も書いていらっしゃるわけで、もともと手が震えているとか、絵が下手だとかそういう領域ではないことがわかる。つまり、歪んだ構図や線の震えはつくみず氏なりの世界の見え方を表現しているというか、そんな感じなのかなと考えていた。

 

 

 

 

 

 あと書いておきたいのは魚というモチーフが頻出することで、前にも言及した気がするがpanpanya氏も枕魚、魚社会のように魚をよく使っていると感じる。かつて「ウオウオフィッシュライフ」というミーム的な言葉がTwitterの一部の界隈で流行してつくみず氏もイラストを描いたことがあるらしいが、これも関係がないとは言い切れないだろう。

 

togetter.com

 

 このまとめの最後にはまとめ作成者による考えとして、つくみず氏に影響を受けたであろう気の抜けた画風のイラストをTwitterで投稿する人々がいる、魚介類はパウル・クレーなどのアートからの影響がうかがえるとしている。うーん、意外な二物の組み合わせでいうとルネ・マグリットを連想したので「ルネ・マグリット 魚」で調べるとわりとそんな感じの絵が出てきた。影響はあるのかもしれないが、あまり考えすぎるのも違う気がするのでとにかく画集が素晴らしかったです、ともう一度書いて終わります。続きのらくがき画集ⅱは入手できなかったので再版してほしいですね。おやすみなさい。

 

www.artpedia.asia

 

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