nikki_20220119「『幸いさ』から回文の評価を考える」

 

 この日は昼から労働をした。1週間の中核に予定があるとそれでかろうじて生きている実感というか、生活が過ぎていく実感ができるのでよい。ただそれが労働である必要はないのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 共通テストに回文の話題が出たらしい。とはいえ「情報関係基礎」というよく知らない強化ではあるらしい。言葉遊びを趣味でやったりする身として、ここで出てきた「幸いさ」という概念が面白かったので考えたことを書いてみる。

 

 あくまでこのツイートで紹介されているページしか熟読していないので、問題文全体はさらっと目を通したに過ぎない。ただガタイイイタイガーガイタ」にいくつ回文が含まれるかを考えるなど、作問者が割と言葉遊びガチ勢なのではということをうかがわせる問題だった。

 

www.asahi.com

 

 

 

 ここで出ている「幸いさ」という尺度は、いわば普通の文章がどれだけ回文に近いかみたいなのを測るものであると個人的には解釈している。問題文中では「最小回文数」とされているが、「あ」とか「い」の1文字も回文とみなしたとき、文を構成する最小の回文の数で文字の長さを割ったものらしい。

 

 

 「トマトを食べる」なら「とまと・を・た・べ・る」なので最小回文数は5だし、文字の長さは7文字なので幸いさは7÷5=1.4になる。

 

 

 では回文にこの「幸いさ」を適用するとどうなるか考えたところ、回文になっている文字列を半分に割った時のこの「幸いさ」を考えたとき、幸いさが低ければ低いほど(個人的に)秀逸な回文になるのではないかと考えた。

 

 

・文字列の長さ…文字長
・連結する最も少ない回文の数…最小構成回文数
・「幸いさ」…S

 

 

 まず回文でない文字列についての指標なので、「S=(文字長)÷(最小回文数)」という定義上、回文を扱うと(最小回文数)=1になり、「(文字長)÷1」になって必然的に長ければ長い回文ほどSは向上する仕組みにある。

 

 

 試しに回文を折り返す半分の地点で分割し、その文字列の「幸いさ」を検証してみる。文字数が奇数の回文を半分に分割する場合、回文の真ん中の語を含むものと定義してみる。この半分に分割した文字列=「分割文字列」と定義してみる。

 

 

 「なるほど、『井戸掘るな』…」という回文について考える。なるほどいどほるな、なので「なるほど『い』どほるな」になりますね。すると分割文字列は「なるほどい」になり、これにおける最小単位の回文は「な・る・ほ・ど・い」にしかないので5÷5で分割文字列のSは「1」になる

 

 

 「『トマト食べたの?』『食べた、トマト。』」という回文について。「とまとたべたの」が分割文字列になる。これは「とまと・たべた・の」となり、7÷3≒2.3が分割文字列のSになる 

 

 

 分割文字列がさらに回文を含めば含むほど幸いさは向上するのである。つまり、分割文字列の中に「トマト」などのさらなる小さな回文を含めばふくむほど幸いさは向上する。これはもとの「幸いさ」の定義からも自明なことである。

 

 

 しかし、その原理で行くと「桃も桃も桃も桃も」という回文はも×12の文字列で、分割文字列は「も×6」となり、このSは6÷1で6になってしまう。

 

 

 回文の完成度として、分割した文字列にも回文を含まない方が自然なものになる気がする。ここは新しい定義として回文にのみ適用できるSSを考えてみる。SS=「(最小構成回文数)÷(分割文字列の文字長)」にする。つまり、幸いさの逆数であり回文においては分割した文字列である。

 

 

 すると「なるほどいどほるな」のSS=1、「トマト食べたの?『食べた、トマト。』」のSS≒0.43、「桃も桃も桃も桃も」のSS=約0.16になる。いい感じではある。

 

 

  しかし、これだと分割文字列に回文を含まない文の評価は必ず1になる。ゆえに、回文の長さも評価できるSSとSを合体させれば回文の評価基準ができそうではあるのかもしれない。文系数学の知識すら忘れかけているので分からないのと、もちろん文のスムーズさとか語感とか評価基準(芸術点?)はさらにあると思うけど、ありなのではと考えたりしていた。

 

 

 おやすみなさい。